早朝覚醒の原因と治し方

不眠症

眠りに対する欲求には、大きな個人差があり、睡眠時間が短くても不眠を訴えない人もいれば、長くても不眠を訴える人もいます。

この記事では、早朝から目がさめてしまい、それ以降眠れないもので、普段の目覚めより、おおむね2時間以上早く目がさめる症状の早朝覚醒についてご紹介していきます。

早朝覚醒の原因

それでは早朝覚醒を引き起こしてしまう原因についてご紹介していきます。

環境やストレス

早朝覚醒を起こす原因として、普段とは変わった環境やストレスが原因で起こる一過性のものや、数週間以上続く「神経性不眠」があります。

一過性のものには、身近な人の死、自分自身の転職、社内のプレゼンテーション、この他にもショッキングな出来事や生活の不安が原因となる場合があります。

また、他人の家や旅行先や出張先など、普段とは違う睡眠環境のために起こる場合もあります。枕が変わると眠れないというのが分かりやすい例と言えます。

人間はストレスを強く感じると、体が「命の危機」と認識し、ストレスホルモンであるアドレナリンを脳内に分泌します

そもそも、アドレナリンというのは 動物が敵から逃げなければならない場合や、逆に狩りを行う時などに分泌されるホルモンで、「心拍数が上がる」「冷や汗が吹き出す」「息遣いが荒くなる」といった身体の興奮状態を引き起こす物質です。

アドレナリンの分泌というのは、ストレスがかかっている一時的なもので止まり、身体は元の状態に戻りますが、ストレスが長期間にわたるとストレスのある状況から解放されてもアドレナリンが分泌し続けてしまうようになります。

脳内でアドレナリンが出続けるため、常に緊張して身体の興奮状態を引き起こし続けているため、睡眠中でも脳や体は休まることなく活動し続け てしまい不眠を引き起こすのです

神経質

神経質な人が、眠らなければと焦れば焦るほどかえって眠れなくなるというのが神経質性不眠になります。狭い意味での不眠症という時には、多くはこの神経質性不眠の状態を指しています。

比較的神経質な人が必要以上に睡眠の変化を気にすることから始まる場合が多いといわれ、眠ろうと努力するあまり脳と体が緊張し、さらに眠りにくい状態を作り出している傾向があります

しかし、睡眠中に脳波などを記録すると、本人の思っている以上によく眠っているものです。

あるサラリーマンの方の例を挙げますと、神経質で人前でのプレゼンテーションなど緊張しやすい性格でした。旅行などの前夜は特に寝つきが悪かったといいます。

年に数回の海外出張や、国内各地の展示会やイベントでの商談を多く経験しました。ビジネスキャリアを通じて、翌日に特別なスケジュールのある前夜は、どうしても寝つきが悪くなっていたという、典型的な神経質性不眠だったということです。

仕事だけではなくプライベートでも、仲間とのゴルフの前夜に、興奮して眠れないことが多くあったそうです。すぐに眠らないと翌日のゴルフに悪影響が出てしまう、ライバルとの勝負にも負けてしまうと思うと、ますます寝つけなくなりました。

結局十分な睡眠は取れずに、翌日のゴルフは寝不足の自分の体調ばかりが気になり、スコアもさんざんで、あまり楽しめませんでした。といったように悪いスパイラルに陥ってしまったそうです。

病気

不眠を引き起こす病気として代表的なものとしては、神経症や分裂病、うつ病などの際にみられる睡眠障害があります。

うつ病

特に、うつ病では不眠は重要な症状の1つになります、その初期症状としてしばしばみられることがあります。

うつ病の睡眠障害は、「睡眠時間が短い」「眠りが浅い」「覚醒しやすい(目が覚めやすい)」といった不安定な眠りになることが特徴です

睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群も不眠の原因となってしまします。睡眠中に呼吸がうまくとれなくなってしまい、いびきをかいたり、息が止まってしまう病気です。

10秒以上の気流停止(気道の空気の流れが止まった状態)を無呼吸とし、無呼吸が一晩(7時間の睡眠中)に30回以上、若しくは1時間あたり5回以上あれば、睡眠時無呼吸とされています。

睡眠時無呼吸症候群を引き起こしやすいタイプとしては「喫煙の習慣がある」「寝酒の習慣がある」「暴飲暴食のクセがある」「体型が太り気味」。現在も「高血圧」「糖尿病」「高脂血症」といった病気を治療中である人です。

睡眠時無呼吸症候群は睡眠が浅くなるだけでなく、心臓にも負担がかかってしまいます。また、同居人が居ないと気づきにくいため、無自覚の方が多いのも特徴と言えます。

レム睡眠行動障害

レム睡眠行動障害とは、「眠ったまま歩き回る」「寝ぼけ」「寝言」「眠ったまま飲食」といった睡眠中の異常行動は、睡眠時随伴症という睡眠障害に分類されます。

若者より圧倒的に高齢の方に多いレム睡眠行動障害では、夢の内容と同じ言動をとるのが特徴的で、夢に合わせて大きな声を上げたり、暴力といった攻撃的な行動を取ったりすることがあります。

ご本人だけではなく、同居しているパートナーやご家族の方にも支障をきたす場合があります。パーキンソン病など神経疾患への移行にも注意が必要です。

主な原因は加齢にありますが、特に飲酒は、「寝ぼけ」や「異常行動」を誘発する場合が多く、飲酒習慣の見直しも重要になってきます

特発性過眠症

特発性過眠症とは、日中の強い眠気のために日常生活に支障をきたす睡眠障害です。原因が明らかになっていないため「特発性」と呼ばれます。

この睡眠障害では、昼夜に関係なく、よく眠ることが子供の頃から目立ち、学生のうちに日中の眠気が問題となることがほとんどです。

発症時期を明確に特定することは非常に困難とされていて、症状はほとんどの症例で長期化している例がほとんどです。

過眠傾向が家族内で目立つこともあり、はっきりした原因は特定されていませんが、睡眠・覚醒に関わる何らかの遺伝的な背景がこの睡眠障害に関わっているだろうと考えられています

早朝覚醒の治し方

早朝覚醒の原因が分かったところで、次は治し方について見ていきましょう

気にしない

原因の箇所でも申し上げましたが、早期覚醒は基本的に高齢者に多い睡眠障害です。ただし加齢による早期覚醒は、そこまで深刻なものではないので安心してください。

年齢を重ねれば重ねるほど、覚醒と睡眠の振れ幅が小さくなり、睡眠が浅くなっていきます。早期覚醒しやすいのもそうですし、中途覚醒や入眠困難といった、他の不眠症の症状も次第に多くなってきます。

しかし、高齢者は若者ほど睡眠時間が必要ではありません。肉体的にも精神的にも回復時間は少なくて済みます。また朝早くに起きてしまったり、夜何度も起きてしまったりしたとしても昼間に多少の睡眠を取って睡眠時間を確保すれば十分なんです。

日中の眠気によって生活に支障が出る、という事でもない限りそこまで心配することはないでしょう。

病気が原因なら病院へ

「睡眠時無呼吸症候群」「レム睡眠行動障害」「突発性過眠症」は早朝覚醒の原因になりますが、早朝覚醒を引き起こす病気の中で一番多いのが「うつ病」です。

うつ病の症状は様々です。気分が落ち込んでやる気が出なかったり、特に理由がないのに悲しい気持ちになったり、仕事や勉強への集中力が無くなってきたり。

注意力が散漫になり他人から注意される事が増えたり、今まで好きだった趣味に興味が持てなくなったり、ボーとする時間が増えたりといったものです。

早期覚醒や中途覚醒とともに気分の落ち込みなどといった「うつ病」が懸念されるようであれば、病院やクリニックなどで診察を受けるようにしましょう。まずは早朝覚醒の原因となっている「うつ病」を治療することに専念しましょう。

うつ病を患ってる人が眠れないからと言って、医師の指導もなく市販の睡眠導入剤を用いると状態が悪化する可能性が高くなります。

生活習慣の改善

早朝覚醒を改善させるためには、以下のような生活習慣の改善が必要になってきます

日光を浴びる

メラトニンには、季節のリズム、睡眠・覚醒リズム、ホルモン分泌のリズムといったものを調整する作用があります。

質の良い睡眠のためにメラトニンの分泌を夜に効果的にするためには、昼間は逆にメラトニンの分泌が抑えられていなければなりません。つまり、昼間に日光を浴びることでメラトニンの分泌を抑え、夜にメラトニンの分泌をピークに持っていく必要があります。

具体的には、昼間といっても午前中に、光は太陽の光を浴びることが大切です。時間はだいたい30分〜60分がベストだと言われています。普通の屋内の電灯では照度が低いため、日光ほど効果的ではないことがわかっています。

朝、散歩したり、通勤時は日の当たる道を歩いたりして、太陽光を浴びましょう。主婦の方であればカーテンを開けて家事をするなどして太陽光をとりこめば、部屋の中でもOKなんです。

メラトニンの原料を摂り入れる

メラトニンの原料はトリプトファンというアミノ酸で、私たちはそのすべてを食事から摂取しています。メラトニンへの変化としては以下のようになります

トリプトファン → セロトニン → メラトニン

トリプトファンを食べ物から摂取してからメラトニンになるまでには、時間がかかります。 ですから、夜にメラトニンを十分に分泌するためには、朝食にトリプトファンを摂取するのが効率的です

かと言って、トリプトファンだけを摂取すれば良いという訳ではありません。トリプトファンからセロトニンを合成するのに必要なエネルギー源である「炭水化物」と、トリプトファンからセロトニン合成を促進させる「ビタミンB6」が必要になってきます。

それでは、それぞれの成分を多く含む食べ物をご紹介していきます。

トリプトファンを多く含む食べ物
乳製品 :チーズ、ヨーグルト、牛乳、バター
大豆製品:豆腐、醤油、味噌、納豆、きな粉
魚介類 :カツオ、マグロ
豆類  :アーモンド、落花生、ゴマ
その他 :バナナ、卵

炭水化物についてはジャンル別にご紹介していきます。

魚介類
牡蠣、しじみ、アワビ、ホッキ貝、うなぎ
野菜類
サツマイモ、ゆり根、大和芋、自然薯、ニンニク
果物類
ドリアン、バナナ、アケビ、チェリモヤ、かりん
肉類
ビーフジャーキー、フランクフルト、焼豚、牛レバー、ベーコン
海藻類
昆布、ひじき、青のり、とろろ昆布、焼海苔
豆類
春雨、ひよこ豆、えんどう豆、小豆、きな粉
きのこ類
きくらげ、椎茸、松茸、えのき茸、エリンギ

ビタミンB6についてもジャンル別にご紹介していきます。

野菜類
ししとう、あさつき、モロヘイヤ、大根、ブロッコリー
穀物類
五穀(雑穀)、玄米、ライ麦、うるち米、マカロニ
魚介類
ビンナガマグロ、カツオ、サバ、鮭、イワシ
豆類
ゴマ、落花生、栗
肉類
牛レバー、鶏レバー、豚レバー、牛モモ肉

ビタミンB6が不足すると、酷い場合だと「錯乱」「脳波異常」「うつ状態」「痙攣発作」といった神経系に異常が起こることもあるので注意したいですね。

運動

普段から運動の習慣がある人は、運動習慣のない人に比べると睡眠が深く、良質の睡眠をとれることが多いことが知られています。

運動を毎日の習慣にするのが難しいという方は、快眠のために頑張って週に3日以上、1日20~30分程度の運動から初めてみてはいかがでしょうか。

無酸素運動のような、あまり激しい運動は睡眠のためにも、健康のためにも良くはありません。ただ運動をすれば良いというのではありません。

適度な運動はストレス解消にもなりますし、軽い疲労は自然と快眠へと導いてくれます。さらにはダイエットのための運動にはいくつかポイントがあるのです。

サラリーマンの運動習慣といえば、朝型が多いと思われますが、快眠のためには夕方の運動習慣がとても効果的なんです。

人の体温というのは、夕方の17:00~19:00に最も高くなり、この体温がピークの時に運動するのが最適なのです。体温が最高になる時間帯に運動をして一時的に体温が急上昇させると、その後は一転して、体温は下がりはじめます。

体温が下がってくると、自然と眠気を催すようになり、それにより自然と眠りにつきやすくなります。寝る前にお風呂に入って体温を上げて、体温が下がってくると眠りやすくなるというのを、長いスパンでやっている感じですね。

さらに、睡眠の質を良くするためには、運動の内容も重要になってきます。ちょっとだけ体への負荷が高いと思う程度の筋肉トレーニングは、成長ホルモンの分泌を促します。

成長ホルモンというものは睡眠中に最も多く分泌されます。これは体内細胞の修復と再生を行い、睡眠の効果を高めるホルモンです。

夕方に筋トレを行うということは、成長ホルモンの分泌を促すことに繋がり、その時に分泌された成長ホルモンは睡眠中にも効果を発揮してくれます

また、運動の習慣が睡眠の質を改善することは、海外での研究でも報告されています。

長期的に運動を続けることで、寝つきが良くなり(入眠障害の改善)、夜中に目を覚ますことが減り(中途覚醒・熟眠障害・早朝覚醒の改善)ます。

入眠直後に訪れる最も深いノンレム睡眠で、成長ホルモンが分泌され細胞が修復される「徐波睡眠」が増え、全体の睡眠時間が長くなるという調査結果もあります。

ブルーライトカット

スマートフォンやパソコンにタブレット端末、家庭で使われるLED照明には、「ブルーライト」という青色光が入っています。

ブルーライトは目に見える光の中で最も波長が短く、エネルギーが強いといわれています。拡散して目が疲れやすいという事もありますが、最近は体内時計への影響が注目されています。

ブルーライトの強い刺激は、メラトニンという睡眠には欠かせないホルモンが作られる松果体に伝えられます。

昼間にブルーライトを浴びると、メラトニンの分泌が抑えられて活動が高まりますが、夜に浴びてしまうとブルーライトを含む明るい光を脳が昼間と判断してしまい、体内時計に作用して睡眠を促すメラトニンの分泌が抑制されて、眠気を引き起こしにくくなってしまいます

なので、ブルーライトカットをして、睡眠の質を上げる必要があります。しかし、現代の世の中で完全なるブルーライトカットをするのは不可能に近いと思われます。

パソコンにしろスマホにしろ、私達の生活にはなくてはならない物になってしまいました。なので、ブルーライトによる影響を少しでも減らせるような努力をしてみましょう。

ブルーライトカットメガネをかける
パソコンやスマホ画面をブルーライトカットする

個人的な意見ですが、上記の2つが一番現実味があると思います。

ブルーライトカットメガネですと、Amazonでなら2,000円~3,000円程度で販売されていますね。

ブルーライトカットのフィルムも安くで購入できるようですので、体のため・安眠のために購入してみてはいかがでしょうか。

ストレス解消

ストレスは早期覚醒だけではなく「入眠障害」「中途覚醒」「熟眠障害」といった、すべての睡眠障害の原因になってきます

そもそも、ストレスを溜めないことが何よりですが、現代社会では非常に難しいのは誰でも実感していますよね。なので、ストレスを発散できる方法を自分自身で見つけることが大切なのです。

休みの日にスポーツなどで汗を流せばストレスを解消できる人もいるでしょうし、家の中でゆっくり映画などを見ることが何より楽しいという人もいるでしょう。

人によってストレス解消の手段は様々ですから、楽しむという事を第一に考えれば何でも大丈夫です。たまにならば、好きなものを好きなだけ食べる、気のおけない友人とお酒をのんで騒いでみるのも良いと思います。

何よりストレスが溜まった時にこうすれば解消できる、という方法を自分なりに見つけておくことが重要なんですよ。

コメント