睡眠は、私たちが生きていくうえで欠かせないものです。ところが、心配事がありストレスを抱えている時や転職や出張などで周囲の環境が変わったときなど、一時的に眠れなくなって困ることがあります。
そんな時に、快適な睡眠へと導いてくれるのが「ラメルテオン」という有効成分を含んだ睡眠導入薬と言われるものです。
この記事では、ラメルテオンについて色々と調べてみましたので、ご説明したいと思います。
ラメルテオンとは
ラメルテオンとは、睡眠導入薬に含まれる有効成分の名前です。日本の製薬会社である武田薬品工業㈱が製造している「ロゼレム錠」に含まれています。
睡眠のリズムを作り出し、自然な眠りへと誘ってくれます。適用されるのは、一時的な不眠などではなく、慢性的な不眠で寝つきが悪いときです。どちらかというと、治療歴がない比較的に軽い不眠症の方に向いているようです。
また、不眠の原因に職場が24時間営業などの交代勤務といった、不規則な生活パターンによる就寝時差がある場合にも効果があります。
ラメルテオンは先発品
ラメルテオンが含まれるロゼレム錠は、2010年に販売が開始された睡眠導入薬になります。一般的に発売から10年ほどは成分特許が製薬会社に認められているため、先発品として独占的に販売できるようになります。
なので、2020年現在そろそろジェネリック品が出てきてもおかしくありませんが、現在のところロゼレム錠のジェネリック品は販売されていないようです。
ジェネリック医薬品は、先発品と同じように効果を示すための試験をクリアしていて、血中濃度の変化がほぼ同等になるように作られます。消費者としては賢く利用したいですよね。
ラメルテオンの通販
ラメルテオン(ロゼレム錠)は、Amazonや楽天市場といった大手の通販会社やドラッグストア(オンラインストアも含む)では取扱っていません。
では、どうやって通販で購入することができるでしょうか?「個人輸入代行」のネット通販で購入することができます。
サイト自体もすべて日本語ですし、決済等でも何ら不便を感じることなんてありません。唯一違う点を上げるとするなら、海外からの発送なので国内の通販よりは到着するまでに2~3日ほど余分にかかるという点くらいです。
それでは、私が医薬品をネットで購入できる販売店を17店調べましたので、一覧でご覧ください。
ベストケンコー: 取扱なし
くすりエクスプレス:取扱なし
あんしん通販マート:取扱なし
ネット総合病院: 取扱なし
メデマート: 34,600円
ココロ薬局: 34,600円
お悩み宅急便: 取扱なし
くすりぴあ: 取扱なし
お薬ラボ: 取扱なし
ちょびひげ薬局: 取扱なし
お薬ボックス: 取扱なし
くすりの宅配便: 取扱なし
薬の通販オンライン:取扱なし
ユニドラ: 取扱なし
つるかめ薬局: 取扱なし
お薬ナビ: 34,600円
このように、ロゼレム錠を取扱っていたのは17店のうち4店で、最安値で販売していたのはオオサカ堂という事が分かりました。
他の睡眠導入薬と比較すると高価になりますが、今のところは最安値は21,434円です。ジェネリック品が出てきて値段が下がるのを待つしかありませんね。
このロゼレム錠の最安値を調査した記事は、画像つきで別にありますので、気になる方は下のリンクボタンからご覧ください。
ラメルテオンの作用機序
脳内の視床下部にある「視交叉上核」という部分は、1日の睡眠と覚醒のサイクルを司っていて、そのスイッチを切り替える体内時計として働いています。
ラメルテオンは、視交叉上核に存在するメラトニン受容体であるMT1(体温を低下させて睡眠を促す)とMT2(体内時計を同調させる)を刺激して、睡眠中枢に活力を与えることによって、自然な睡眠をうながします。
つまり、睡眠と覚醒のサイクルを、睡眠側へとスイッチを入れる働きがあります。
ラメルテオンの副作用
ラメルテオンはメラトニン受容体に働きかけるため、安全性が高く、副作用は少ないです。ただ、人によっては、翌朝に眠気が残ったり軽いめまいを起こしたり、けん怠感などが残ることがあるかもしれません。
今まで睡眠導入薬の主流だった、ベンゾジアゼピン系薬で問題となる離脱症状を起こす可能性は低く、依存性もないとされています。
承認時までのわが国での臨床試験では1日1回ラメルテオンとして4mg、8mg、16mg又は32mgが投与された1,864例中の194例(10.4%)に臨床検査値の異常を含む副作用が認められた(承認用量は8mgである)。主な副作用は傾眠(3.4%)、頭痛(1.0%)、倦怠感(0.5%)、浮動性めまい(0.5%)であった。
製造販売後の調査では1日1回ラメルテオンとして8mgが投与された3,223例中の109例(3.4%)に副作用が認められた。主な副作用は傾眠(1.2%)、浮動性めまい(0.7%)、倦怠感(0.3%)であった。うち、精神疾患の既往又は合併のある患者では727例中の40例(5.5%)に、精神疾患の既往及び合併のない患者では2,361例中の64例(2.7%)に副作用が認められた。精神疾患の既往又は合併のある患者での主な副作用は傾眠(2.2%)、浮動性めまい(1.1%)であり、精神疾患の既往及び合併のない患者での主な副作用は傾眠(0.9%)、浮動性めまい(0.4%)であった。
引用元:https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00058527
このように、ロゼレム錠が承認されるまでの副作用の出現率と、販売されてからの出現率を比較してもかなり改善されたという事が分かりますね。
また、肝臓に持病がある方は注意が必要なようです。肝臓での代謝が遅れ、薬の作用が強くあらわれるためです。
薬の飲み合わせでも悪いものがあるようなので、普段から持病などで薬を服用されている方は医師に相談されることをお勧めします。
ラメルテオンとせん妄
せん妄とは、高齢者に多く発症する一種の意識障害です。症状が認知症と似ていますが、せん妄は突然発症して、数時間から数週間にわたり症状が継続するのが特徴です。
せん妄を起こす原因としては、ストレスや外部からの刺激といった事もありますが、一番多いのは薬が原因となった場合です。
その中でも向精神薬は、せん妄を引き起こしやすいとされています。例を上げるなら以下のようなものです。
この他にも、せん妄を誘発しやすい薬があります
せん妄は薬を服用して起こる場合だけではありません。長期間服用していた薬剤を急にやめることでせん妄が発生する場合があったり、アルコール依存症の人が飲酒を急に止めた時やヘロイン使用者がヘロインの使用を急に止めた時にもよく起こります。
このせん妄を予防する働きがあるとして、ラメルテオン(ロゼレム錠)に注目が集まり、以下のような実験が行われまいした。
4つの大学病院と一つの総合病院で65~89歳を対象として、67名の患者をランダムに選び出し、ロゼレム錠とプラセボ錠(偽薬:プラシーボ効果を除外するため)を7日間、服用してもらいました。
その結果、ロゼレム錠を服用したグループは、せん妄発症を10分の1に抑えられたという、圧倒的な効果が見られたそうです。
この実験とは別に、メラトニン錠でも似たような事を行ったようですが、ロゼレム錠ほどの効果は見られなかったという報告があります。
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