最適な睡眠時間とは

睡眠関連

昔からよく聞かれる「1日8時間の睡眠を取るのが健康に良い」という説を耳にしたことがあるかと思います。果たしてその時間はどのように決まっているのでしょうか。

8時間以上寝ないとスッキリ頭が冴えないという人もいれば、1日3時間程度の睡眠でも昼間も眠くなくて平気というような「ショートスリーパー」といった方もいらっしゃいます。

最適な睡眠時間

睡眠時間は、老若男女さまざまな要因によって人それぞれ必要な時間は異なるため、誰でも1日8時間が良いとは一概に言えません。

同じ人間でも年齢によってその睡眠時間は変化していきます。一般的に10歳までの子どもが8〜9時間なのに対し、65歳の高齢者では約6時間と、年齢を重ねるにしたがい必要な睡眠時間は短くなると言われています。

さらに、日中の活動による身体と脳の疲労具合や、季節ごとの日長時間にも左右されます。春の夜は本当に眠り心地がいいので、朝が来たことにも気付かず、つい寝過ごしてしまうといった「春眠暁を覚えず」なんて言葉もありますね。

睡眠時間に関しての満足度は人それぞれありますが、健康面に対しては最適な睡眠時間が存在します。

100万人以上を対象としたアメリカの調査によると、睡眠時間が7時間前後の人ほど死亡率が低かったということが分かりました。

これはアメリカだからという訳ではなくて、日本でも10年にも及ぶ調査が行われたのですが、アメリカと同様の調査結果が判明しました。

睡眠時間と心臓病の発生率を調べた調査では、7~8時間の睡眠時間の人が最も心臓病にならなかったという結果が出ていることから、健康面では7~8時間の睡眠時間が最適と言えるようです

7~8時間の睡眠時間が最適だという理由は他にもあって、成長ホルモンの分泌にも深く関係してるからです。成長ホルモンは1日の分泌量の70%が睡眠中に分泌されていて、その80%が眠りに落ちてからの2~3時間に分泌されています。

分泌された成長ホルモンは全身に行き渡り、肝臓や筋肉、脂肪などのさまざまな臓器で行われている代謝を促進してくれます。

成長ホルモンとは

成長ホルモンは、脳の真ん中あたりにぶら下がっている脳下垂体から分泌されるホルモンで、子供の頃には背を伸ばす作用があり、成人になってからは肝臓や筋肉、脂肪などの臓器で行われる代謝を促進したり筋肉や骨や皮膚を強くする作用があります。

なので、大人になったら成長ホルモンは不要というわけではなく、体を良質に維持するうえで必要なホルモンなのです。

成長ホルモンには脂肪を分解してくれる作用があるので、成長ホルモンが足りないと「メタボ」になる可能性が高くなります。これは太っていく過程だけではなくて「メタボ」の人は成長ホルモンが出にくくなっています。

睡眠時間の平均

睡眠時間を調べた数々の論文をまとめたデータによると、睡眠時間の平均は10歳までは8~9時間、15歳で約8時間、25歳で約7時間、45歳で約6.5時間、65歳で約6時間と、加齢とともに必要な睡眠時間が少なくなるということが報告されています。

よく加齢によって昔ほど長時間眠れなくなったという高齢者の悩みを聞きますが、実は加齢に伴い必要とする睡眠時間が少なくなっているというのが事実のようです。

成人の場合、個人差はあるものの6~7時間前後の睡眠時間が平均のようです。

加齢とともに睡眠も浅くなる傾向にあるようです。高齢者の睡眠脳波を調べてみると、深いノンレム睡眠が減って浅いノンレム睡眠が増えるようになります。そのためトイレやちょっとした物音などでも何度も目が覚めてしまうようになります。

誰しも若い頃に比べてよく眠れなくなったということを経験するかもしれませんが、実は加齢に伴い体に必要な睡眠が変化してきているのです。

睡眠時間を短くする方法

体質的にショートスリーパーでない人が、ショートスリーパーになろうとして無理やり睡眠時間を短くしてしまうと、 単純に睡眠不足になってしまいます

6時間未満の睡眠時間でも日中に眠気が残らず問題なく過ごせるショートスリーパーには、ある特定の遺伝子が関係しているようです。

睡眠に関わる遺伝子には他にもさまざまなものがあり、必要な睡眠時間は遺伝子と生活環境により決定されると考えられています。

ショートスリーパーになろうとして、睡眠時間を短くしてしまうのは良い方法ではありません。

睡眠時間を短く制限することにより睡眠不足の状態が続くと、体の疲れを取るためにかえって長時間眠る必要が生じてしまうため、ショートスリーパーになるための無理な睡眠時間の短縮は逆効果と言えます。

快適な睡眠時間というのは長さだけではなく、睡眠の質も関係しています。睡眠の質が良くないために長時間の睡眠が必要な場合は、睡眠の質を上げて効率良く眠ることが重要になります。

昼間のパフォーマンスを落とさずに短時間の睡眠でも睡眠不足にならないことが目標になります。そのためにはまず、睡眠の質を上げていく必要があります

睡眠前の悪習慣

まずは、睡眠の質を落とす悪い習慣がないか見直してみましょう。

アルコール

寝る前にお酒を飲む習慣は何も日本に限ったことではなく、海外でも寝る前に飲むお酒を「ナイトキャップ」呼んで、寝酒を楽しむ方も多いようです。

確かに、アルコールは寝つきそのものを良くする効果がありますが、寝酒を嗜むというのは良いことばかりではありません

アルコールの入眠しやすくなる直接的な作用は3時間程度で効果が切れます。アルコールは体内の水分が奪うのでノドが渇きやすくなります。また、利尿作用があるのでトイレに行きたくなることから、夜中に目が覚めることが増えてきます。

利尿作用に加えて寝汗をかきやすくなることで、血液が固まりやすくなり、血管が詰まりやすくなります。そうなることで睡眠中の脳梗塞、心筋梗塞のリスクも高くなってきます。

体重60kgの健康な成人男性の場合ですと、眠る3時間前までに日本酒なら1合、ビールなら中ビン1本、ワインならグラス2杯を寝酒の上限として楽しみましょう。女性や高齢者の多くでは、この半分の量が適量になります。

カフェイン

カフェインはれっきとした薬物です。時代が違えば違法薬物になっていても不思議ではないほどの作用があります。それほど人の脳に対して強烈な覚醒作用を持っています

カフェインが「アデノシン」という鎮静効果のある神経伝達物質が、脳内で伝達されるのをブロックすることにより、脳の鎮静を妨いでしまい覚醒効果を表します。

もちろん、人によりカフェイン耐性には個人差があるので、誰に対しても同じような効き目がある訳ではありません。

コーヒー好きの人の中には寝る前の一杯を楽しまれる方がいますが、これで睡眠に影響がないというのは、かなりカフェイン耐性が強いと考えられます。

カフェインは、摂取後約30分で吸収され、その後約8時間は体に残ります。なので、15:00以降のカフェイン摂取は止めておきたいですが、少なくとも夕方以降はカフェインの影響が大きくなるので止めておきたいですね。

それでは、気になるカフェイン含有量を見ていきましょう。これは100mlに含まれるカフェイン含有量になります。

インスタントコーヒー:60mg
玉露        :160mg
緑茶        :20mg
紅茶        :30mg
烏龍茶       :20mg
コーラ       :20mg
缶コーヒー     :150mg
エナジードリンク  :140mg

まず目を引くのが玉露のカフェイン含有量の多さですね。紅茶のカフェイン含有量が少ないのは意外ですし、缶コーヒーのカフェイン含有量の多さにも驚かされます。

ブルーライト

スマートフォンやパソコン画面を見る時間が劇的に長くなった現代、そこで心配なのがブルーライトの影響です。

目や体に悪影響を及ぼすと言われていますが、具体的にどんな症状を引き起こすことがあるのかが気になりますよね。

ブルーライトの影響が最も心配されているのが睡眠になります。これには、体内で作られるホルモンである「メラトニン」が関係しています。

メラトニンは、季節のリズムや概日リズム(体内時計)の調節をする働きがあります。人間は目に入る光によって体内時計を調整しますが、光が多く入るとメラトニンの分泌が抑えられ、夜になって光を感じなくなるとメラトニンが多く分泌されてきます。

メラトニンが多く分泌されることで表れる生理現象が眠気です。しかし、ブルーライトを浴びると脳はその強い光に昼間と勘違いしてメラトニンの分泌を抑制してしまいます

これにより、寝付きが悪くなったり眠りが浅くなったり生活リズムが狂ったり、さらに自律神経などにも影響を与えてしまう可能性だってあるのです。

私もそうですが、今となってはスマホやパソコンから切り離される生活なんて考えられません。それでも何かしらの対策を取らなければいけません。

ブルーライトの影響を軽減するアプリも登場しています。最も多いのは、時間や部屋の明るさに応じてブルーライトフィルターが作動するものです。

「ブルーライトカット アプリ」や「ブルーライトカット フィルター」と検索すれば、色んなタイプのアプリやフィルターが見られます。

ブルーライトカット眼鏡の使用も有効な対策です。色んなメーカーから様々なブルーライトカット眼鏡が販売されています。ブルーライトだけじゃなくて紫外線までカットしてくれる眼鏡だってあるようですよ。

生活リズムの乱れは肥満やメタボだけではなく、「糖尿病」「高血圧」「肥満」「高脂血症」「歯周病」など生活習慣病のリスクも高めると言われます。

健康のために少しでも不安材料を取り除くことは大切です。ブルーライトの影響についてまずは簡単なものから対策を実践してみましょう。

以上の悪習慣を止めることが出来れば、きっと質よ良い睡眠を得ることができ、少ない睡眠時間でも満足できるようになります。

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