夢を見てる時の睡眠状態とは

睡眠関連

夢をみる理由については数多くの説がありますが、実は本当のところはまだよく分かっていません。分かっていることは、「寝ている間に夢をみるような脳活動や自律神経活動が存在する」ということだけなんです。

この記事では、私達が眠って夢を見ている時はどういった睡眠状態なのか?についてご紹介したいと思います。

夢を見ている時の睡眠状態

私達の眠りには、深い眠りのノンレム睡眠と浅い眠りのレム睡眠が交互に繰り返しやってきます。そして、鮮明な夢はレム睡眠中にみることが分かっています。

レム睡眠中には、名前の語源にもなっている急速眼球運動(Rapid Eye Movement)や、自律神経活動である心拍や呼吸などの変動、目が覚めている時と似たような脳活動、そして体を支える筋肉の力が抜けるといった特有の生理活動が行われています。

レム睡眠中に見られるこれらの生理活動が、記憶に残っているような鮮明な夢を作り出していると考えられています。急速眼球運動については、まぶたの下の目の動きが活発なほど夢を見ていることが多く、内容もより鮮明になります。

さらに、心拍数が増えることで夢の中での感情が強まることや、視覚・感情・記憶などの夢内容に関わるそれぞれのリンクする脳部位が活性化する様子も観察されています。私も以前テレビでこの様子を見た記憶があります。

浅い眠りのレム睡眠中には脳は比較的活発に活動するのですが、目覚まし時計の音や匂いなどの外の世界からの情報を感じることが鈍っています。

そのため外の世界からの情報ではなく、すでに頭の中にある情報を使って脳活動を行っています。夢の中に学生時代の友達や幼馴染みといった、過去の記憶が色濃く出てくるのはこのためです

また、レム睡眠中には、理性や知性と関連している脳の前頭部の活動が起きている時よりも低下しています。そのため、夢の内容は空を飛ぶといったような、どこか空想の世界で起こるようなことが多くなります。

悪夢を見る原因は

私達が見る悪夢には脳にある感情のコントロールの中枢である扁桃体の活動が関与しています。扁桃体は私たちの感情活動、特にネガティブな感情要素と関連しているのです。

レム睡眠中には、なぜかこの扁桃体が不思議なほどに活性化するため、悪夢と言われるような嫌な夢をみやすくなります

また、最近の研究ではレム睡眠中の自律神経活動は扁桃体の活動と関連することが報告されています。意識が朦朧とする高熱のときに悪夢が多いのは、このためだと考えられます。

ところで、一晩の眠りには深い眠りのノンレム睡眠と浅い眠りのレム睡眠がおよそ3~4回繰り返されています。

意外でしょうが、レム睡眠のたびに夢をみているので、寝ている間に3~4回も夢をみていることになりますが、夢は記憶に残るように出来ていないので、通常であれば私たちはみた夢を忘れてしまっています。

しかし、レム睡眠で夢をみている最中に目が覚めた場合に限り「今、夢をみていた」と内容を人に話せるような状況になっています。

しかも、嫌な夢はインパクトが強いので、記憶に残りやすくなります。実は忘れてしまっているだけで、私たちは毎晩、レム睡眠のたびに様々な内容の夢をいくつも見ていることになります。

寝る姿勢が悪い

うつぶせになって寝たりすると、胸式呼吸の場合、肺が充分に膨らまないという状況になっています。腹式呼吸の場合は横隔膜の動きが制限された結果、酸素供給能力が低下し、やはり「苦しい」と体は反応してしまいます。

その場合、人間は自然に苦しさから逃れようと寝返りをうつのですが、布団が狭かったり抱き枕などの障害物があったりして、寝返りをうてない環境にあると、苦しいままになってしまいます。

そのときに起こるのが、一気に睡眠レベルが浅い眠りに移行した結果、息が苦しいという状況から悪夢を見ることになります

太っている人はもともと寝返りをうちづらく息苦しい状況に陥りやすい傾向にあります。また、ダブルベットに二人で寝ていると熟睡できないという人が多いのは、「寝返りを打ちづらい」という原因が考えられます。

いずれにせよ、快適な睡眠のためには一人で寝るというのが最低ラインになるようです。

アルコール

悪夢を見させてしまう薬剤としては、抗パーキンソン病薬(ドパミン作動薬)、抗コリン作用の強い抗精神病薬、抗うつ薬、アルコールなどがあります

適度な量のアルコールは入眠までの時間を短かくしれくれ、深い睡眠を増加してくれます。つまり寝付きが早くなり、眠りが深くなるのですが、これは一時的なものでしかありません。

むしろアルコールによる弊害のほうが多く、飲酒によって夢を見る浅い眠りのレム睡眠は極端に減り、睡眠の後半は眠りが浅くなり、睡眠の質にはかなりの悪影響を及ぼします。

また、アルコールの睡眠作用には耐性が生じるために、1週間も飲酒の習慣を続けると、入眠の早さ、深い睡眠の増加はなくなり、睡眠時間は徐々に短縮していきます。

これはマズイと飲酒を中断すると、飲酒開始前よりも寝つきは悪くなり、睡眠は浅くなってしまい夜中にたびたび目が覚め、さらにレム睡眠が増加して夢を見る時間が増えることによって、これが悪夢の原因にもなります。

トラウマ

心の病気の中には、確かに悪夢が特徴的な症状として出るものがあります。その代表的なひとつが「心的外傷後ストレス障害(PTSD)」と言われるものです

PTSDは戦争や自然災害など、生死の狭間をさまよったような過酷な体験や目にしてしまった後、しばらく時期をおいてから現われてくる心的な後遺症です。

その特徴的な症状は、その恐怖体験が悪夢に現れてきたりフラッシュバックといった形でよみがえってくる事です。

ここ数年は自然災害も多く、沢山の方が怖い思いをされたり、慣れない避難所生活によりストレスが溜まり心理カウンセラーが避難所を訪れるというニュースを見た方も多いのではないでしょうか。

経験もしていないのに偉そうなことは言えませんが、この怖い体験もそうですが、慣れない避難所生活というストレスが悪夢を見る原因になるのは分かる気がします。

一般的にPTSDから回復するためには精神科やクリニックでの治療しか方法はありません。もしも過去に起きた、その時の悪夢に何度もうなされるようになっていましたら、早めに医療機関を受診することをお勧めします。

悪夢を見なくなる方法

誰だって嫌な思いしかしない悪夢なんて見たくありませんよね。そこで、悪夢を見なくなる方法をいくつかご紹介したいと思います。

ストレス解消

悪夢を見る主な原因は、日中に感じるストレスによるものだと考えられています

人間の脳というのは寝てる間に、頭の片隅に残っている心配事を解消しようとします。そのため日中に受けたストレスが原因となって、夜に悪夢として投影されることもあります。

人によって様々ですが「散歩」「森林浴」「瞑想」「ヨガ」といった、日中の間にストレス発散ができる自分に合った活動を実践することが大切になります。

心が落ち着いている間に心配事を紙に書き出してみたり、自分なりの解決方法を考えることで、日中のストレスが睡眠に与える影響を抑えることができます。

人がストレスを感じると以下のような反応が現れることが多いとされます。

「イライラする」「気が沈む」「やる気が出ない」「ため息が多くなる」「寝れない」「肩こり」「胃痛」「頭痛」「目の周りが痙攣する」「朝起きるのが辛い」「食欲がなくなる」「肌荒れ」

といったように、自分にしかわからない反応から、周囲からみても分かる反応と様々ですが、早いうちに気づいてストレス解消したいものですね。

ストレス解消の方法も男女差があるようで、以下のようなアンケート結果になっています。

男性            女性
1:お酒を飲む       1:好きなものを食べる
2:好きなものを食べる   2:スイーツを食べる
3:とにかく寝る      3:お酒を飲む
4:スポーツ        4:友達とおしゃべり
5:テレビ鑑賞       5:テレビ鑑賞
6:旅行          6:ショッピング
7:音楽          7:とにかく寝る
8:何もしない       8:温泉
9:温泉          9:旅行
10:家族と過ごす     10:お茶やコーヒー

男女問わずに「美味しい食べ物」や「美味しいお酒」には、ストレス解消するのに即効性があるようですね(笑)

タンパク質を摂る

アメリカの慢性疲労を専門とする教授によると、寝ている間に血糖値が低くなりすぎると悪夢を見ることが多くなるそうです。日中の頃からお腹が空いた時にイライラしやすい人は、特にタンパク質の不足が原因で悪夢を見やすいとの事

教授が言うには、寝る前に30~60グラム程度のタンパク質を食べると、悪夢を避けることができるそうです。具体的には「ゆで卵なら2つ」「少量の肉類」「魚類」「チーズ」などを食べてみると良いようです。

ただし、ここで注意すべきなのは、「ご飯」「パン」「麺類」「芋類」といった炭水化物を食べるとと逆効果で悪夢を見やすくなる可能性があることです。

タンパク質を多く含む食べ物としては「肉類」「魚介類」「乳製品」「卵類」「大豆製品」などがありますが、寝る前にこれらの食品を食べるのには抵抗を感じる方も多いのではないでしょうか。

特に女性なら気にする方が多いでしょうから、最もタンパク質を効率的に摂り入れられるプロテインはいかがでしょうか?

プロテインなら牛乳や豆乳で溶かして飲む方がほとんどですから、少量で必要なタンパク質が補えるかと思います。

薬を断つ

抗うつ剤や睡眠薬のような脳に直接働きかける薬はもちろんのこと、単なる風邪薬でも悪夢が増える可能性があります

風邪薬には抗ヒスタミン薬が入っており、これは眠気を誘います。風邪薬だけでなく花粉症の薬でも眠気を経験した方は多いのではないでしょうか。そのため、眠くなりすぎないようにカフェインも入っています。

眠くなったり、逆に眠気が吹き飛ぶように作られた薬は結局のところ、脳に直接働きかけていることになります。すると脳の働きのバランスがくずれてしまい、なおさら悪夢を見やすくなってしまうようです。

たかが「風邪薬」や「アレルギーの薬」だからと、あまり軽い気持ちで薬を服用しないで、必要なときだけ飲むのが良いでしょう

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